G.B.Times 2026年 9月号 No.20

Hello!!

理由あって遠い所に来ています。ニュージーランドのオークランドという街です。冬だと聞いてたけど、お花が咲いてて、これは冬じゃない春だ!!


みちくさ散歩
知らない花も、知ってる花も咲いています。例えばイヌノフグリが咲いています。モクレンが咲いています。マンサクみたいのも、ツワブキまである。 知らない花…ピンクの花はPuriri。 プリリは巨大な常緑高木ですが、かわいい花や実を付けるそうです。ニュージーランドの固有種らしい。プリリモスという蛾はこの木に依存して生息しているとか。ニュージーランドは夏は30℃を切るくらい、冬も寒くて10℃程度と穏やかな気候です。なのに、マレーシアで見たようなヤシの木とか、大きなシダとか、名前の知らない南洋の植物も自生しています。高いヤシの木(のような木)の隣でサクラ(のような花)が咲いています。不思議です。おまけにコスモスまで咲いています。コスモスって、これから日本で咲く秋の花のはず。不思議なところです。ここはどこ?今はいつ?私は季節がさっぱり分からなくなりました。





仲間たち 番外編


今週のにゃんはSちゃんちの美にゃんずです。ちびちゃん、オペラちゃん、グレちゃん。
優雅なたたずまい。家猫と外猫はこうも違うものか。みな何の心配もなく人生を謳歌し、ややもすれば私はつい、にゃんに気に入られようとお付きの者のように振舞ってしまっているのです。こっそり白状すれば、私はオペラちゃんがご贔屓。かの怪人を思わせるマスクがたまりません。
ホントにミステリアス…と思ったら、グレちゃんしっかりカゴに収まって猫は液体をやっているではありませんか。この姿はうちのノラ外猫とおんなじだ~と、ほっとしてニヤニヤしてしまうのでありました。

仲間たち おまけ

こちらで散歩の途中、大勢の犬たちに出会いました。写真撮ってもいい?と尋ねると、みなさん(犬のみなさんじゃなく飼い主のみなさん)「もちろん、どうぞどうぞ」と気さくに答えてくれます。
ちょっと歩くとすぐに、ビーチやリザーブと呼ばれる自然の保護区に行きつきます。そこでは、犬たちはリードを外してもらって思うさま走り回っています。幸せな犬たち。
柴犬を連れたおじさんもいました。残念ながら写真を撮らせてもらうのを忘れました。フクシマから来た犬だと言ってた。他にも何か言ってたけど、よく分からなかった。日本犬もかわいい。





                  





オークランド イーハトーブ

かわいいおうち。小さい頃おうちの絵を描く時は決まってこんな家を書いていたような気がします。三角の屋根、アーチの付いた扉、えんとつ。
絵本に出てくる絵もそんなだったけど、自分の周りの景色とはずいぶん違っていました。ここでは街を歩くと、そんなおうちが並んでいます。通りの名前もムクドリ通りだとか、ミツスイ通り、キーウィ通り、やかん通りなど。
これじゃまるでキキの街じゃありませんか。
うわー、素敵すぎてよだれが出そう。
だけど、どうしてこの西洋的な街並みがこんなにも素敵に見えるのか。ちょっと考えてしまいます。ルッキズムについて学んだ時、若い子たちの間で「ちょっぴりハーフ」な感じに美容整形するのが流行っているという話を聞きました。げーって思ったけど、自分の中にもそんなバイアスがある?西洋のものが美しいという。街で見かけるちっちゃい子が、ルネサンス絵画の中のエンジェルみたいに見えて、目をこすります。
いや、いや、ダビデとかアトラスが究極の鍛えあげた美しい肉体なら、熱海富士だって究極の強力な肉体美のはず、と思い直します。うん、いろんな文化、それぞれが美しい。ニュージーランドは学校でもマオリの文化を積極的に取り入れるなど、多文化を誇る国だと言います。街にはいろんな人々がいます。
先日遊びに来た孫娘のクラスメートはうちの子を入れて3人が移民で、英語を第一外国語とする子たちでした。みんなめっちゃ元気。一緒に初音ミクを歌ったりもします。



旅の空、Kindleで宮沢賢治を読み返しています。『ポラーノの広場』を読みました。
「あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ…」そうか、ここは西洋でも植民地でもない南極に近い島国だけど、まるでイーハトーブみたいなところです。

黄いろのトマト

ポラーノの広場もですが、『黄いろのトマト』もずいぶん忘れてしまっていました。

「お早う。ペムペルという子はほんとうにいい子だったのにかあいそうなことをした。」  その時窓にはまだ厚い茶いろのカーテンが引いてありましたので室の中はちょうどビール瓶のかけらをのぞいたようでした。ですから私も挨拶しました。  「お早う。蜂雀。ペムペルという人がどうしたっての。」  蜂雀がガラスの向うで又云いました。  「ええお早うよ。妹のネリという子もほんとうにかあいらしいいい子だったのにかあいそうだなあ。」

 博物館の蜂鳥が話し出します。「かあいそうだ」とリフレインのように何度も言います。
 ペムペルとネリの兄妹は小さな世界でしあわせに暮らしていたのに、ある日不思議な音を聞いたことから物語が転がりだします。

「ところがある夕方二人が羊歯の葉に水をかけてたら、遠くの遠くの野はらの方から何とも云えない奇体ないい音が風に吹き飛ばされて聞えて来るんだ。まるでまるでいい音なんだ。切れ切れになって飛んでは来るけれど、まるですずらんやヘリオトロープのいいかおりさえするんだろう、その音がだよ。」

2人は音のする方へ駆け出します。

「看板のうしろからは、さっきの音が盛んに起った。  けれどもあんまり近くで聞くと、そんなにすてきな音じゃない。ただの楽団だったんだい」
もしかすると、これがこの物語を象徴する言葉かもしれません。
ダイヤモンドだと思っていたものが、ただのガラクタに変わるのを何度見てきたことでしょう。

 旅の空…遊びに来たわけではなく、それなりにタスクはあるのですが、まあ気楽なものです。暇にまかせてつい感傷的になってしまいました。ペムペルとネリが気になる方は、是非この美しい物語を読んでみてください。

 孫ガールズの妹の方は、近ごろ大好きなお友だちができたみたい。しょっちゅうメールでおしゃべりしています。私にも覚えがあります。もっと幼い時のただ一緒に遊ぶ友だちではなくて、いろんなことを語り合える大好きな友だち。
 私はそんな友だちにトナカイにひいらぎとベルの付いたブローチをあげました。クリスマスが近かったのでしょうか。近所の駄菓子屋さんで見つけました。本当に素敵だと思いました。大好きなあの友だちと色違いのおそろいを付けたらどんなに素敵だろう。私にとっては安い買い物ではなかったと思うのですが、母にねだって買ってもらいました。
「これあげる。これは私たちが親友だっていうしるしのマスコットだよ」
次の日彼女は言いました。「お母さんが、ずいぶん安っぽいマスコットだことって言ってた」と。
 プラスチック製のトナカイでした。ひいらぎもベルもすぐに取れて分解してしまいそうでした。駄菓子屋さんの魔法が解けてしまって、よく見ると確かに安っぽいとしか言いようがないようなものでした。

 私はもうペムペルやネリじゃない。私自身子どもたちに、(友人のお母さんのように)黄いろのトマトを投げつけてしまったことがあると思います。 
 ま、旅の空の感傷です。

Art







ガールズの作品です。上の2枚が姉。下の3枚が妹。それぞれスタイルを作りつつあります。

編集後記

今月はオークランドから。
あれ?じじいはどうしたかって?
じじいは残暑の東京に一人取り残されてぼやいています。
もう秋が始まった。がんばれじじい!

 

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